CCSアドカレ2017「小学生向けプログラミングに好き勝手言うのと、いくつか紹介」

〇はじめに

2020年に小学校でプログラミングが必修化されるそうですね。
今後も世の中の職もITに関わるものの比率が増えていくでしょうし、論理的な読解・思考・記述の力を養うにも良いでしょう。

ただ、不安な面も様々あります。
まず「誰が教えるのか」ですね。
高等学校で「情報」の科目が必修になったときも、臨時の資格を与えられた現職教員で賄っていましたし、
(これは他の科目にも言えますが)都会-地方や学校による格差が今でもあるようです。
今でこそ改善されているとは思いますが、内容が「Officeの使い方」だった、みたいな話もありました。

次に「時間の確保」が気になります。
ご存知の通り、小学校における英語も段階的に必修化されています(2020年に3年生まで完全必修化だったような)
ついでにうろ覚えをさらすと、科学教育の拡充ということで、理科の時間数が増えたはずですね。
児童の学習時間としてみてもパイの奪い合いが激しいように思われます。
教員の方に目を向けると、昨今(大きく話題になるのは中学校の部活関係ですが)ブラックな話題に事欠きませんね。
「誰が教えるのか」にも関わりますが、理科・図工のように専任をおくのか担任がやるのかで負担も変わりそうです。

そして「環境の用意」にも懸念があります。
最近の国の財源は、家庭の教育負担減(授業料無償化など)への使用が目につきます。
プログラミングを教えるための機材や環境は整備されているんですかね?

想像してみてください。
豊かな自治体では、児童一人につき一台のタブレットが配られ、ITに詳しい外部講師が授業を行い、
厳しい自治体では、担任の指示で藁半紙にフローを教科書通り書き写している様を。

なーんてことにはならないように、いろんなところがいろいろやっています。少し安心。
今回はそんな「小学生向けプログラミング言語」を3種類ほど見ていこうと思います。


〇紹介するまえに

小学生向けプログラミング言語は次のような特徴を持っている場合が多いです。
・オンラインで、ブラウザ上で動く
・視覚的に組める
・共有機能があり、完成品を公開できる
・保護者向けガイドなどがついている
子どものモチベーションを保つと同時に、お財布にも優しい。
個人的には拡張性が高いとステップアップが見込めてよさそうだなと思う訳ですが、
コードの書き出しや対応ハードウェアがあるものは少なそうです。

筆者はC言語に毛が生えた程度のものを扱っているので、
その目線でのコメントです。
むしろ小学生にもできるように作られているので、自分で触ってみた方が早いと思います。


・紹介①Scratch(スクラッチ)

https://scratch.mit.edu/

小学生向けプログラミングについて探すと、おそらく一番最初に出会う。
世界的にも有名で、だいたいはこれを参考にして作られていそう。
日本人が触るなら、NHKの「Why!?プログラミング」のページを経由したほうが勉強になります。
中身については次の紹介で。


・紹介②プログラミン

http://www.mext.go.jp/programin/

文部科学省が、ScratchのUIなどを参考にして作ったものらしいです。
これで小学校も安心! と思いきやFlashで動いているっぽい。
プログラミング必修化が2020年。Flashサポート終了が2020年末。大丈夫なのか教えて詳しい人。

さて中身はというと、絵に対してプログラミンをくっつけると、そのプログラミンに応じて絵が動く、というのが基本になっています。
プログラミンはくっつけると数字の入力できる窓が出てきて、回数や度合いを変更できる。
絵がクラスで、プログラミンが関数、数字が引数といった具合のらしい。
もちろんプログラミンはいくつもつけることができ、順番に効果が反映されていくのがいかにも言語っぽい。
英文法はさておいて、英会話から英語を勉強するような感覚になりました。


・紹介③Viscuit(ビスケット)

https://www.viscuit.com/

低学年からでも遊べるんじゃなかろうか。
コンセプト的に、言語を学ぶというよりは、プログラミングが何なのかを学ぶためのものという色が強いですね。
ブラウザ上で動くだけじゃなく、タブレット版もあります。

中身ですが、絵を描いて「めがね」というパーツに絵を当てはめると、当てはめた通りに絵が動くというもの。
めがねはif文の役割で、左のレンズが条件で右のレンズが出力になっています。
動く、回る、増える、別の絵になるなどはめがねが判別してくれるので、言語っぽさはないですね。
「AのときBする」という基本がわかりやすい(ついでに複製が得意というのもわかりやすい)と思います。


〇おわりに

2020年の小学生って、生まれた時からタブレットがあるんですよ。
ついでに、今の小学生って「マリオメーカー」やら「マインクラフト」やらがある世代なわけです。
そんなところで、上の様な仲介者が入れば結構プログラミングへのハードルも下がると思いませんか?
学校でやるとなるとやや不安があるけれども、子どもは受け入れるんじゃなかろうか。

というか大人が触っても面白いので、ふだんバリバリプログラミングしている方々も、息抜きに触ってみてほしい。
そして私のようにn時間を溶かしてほしい。

といったところでこの記事はおしまい。